コラムニストの雑記帳
党首討論

 9日の党首討論。新聞は、日銀総裁・副総裁の同意人事について3回も拒否権を行使した民主党を「権力の乱用だ」と批判する福田首相と、「文句を言うなという話では、国会がいらなくなる」とクールに反論する小沢民主党代表の論戦を「総理大臣も決闘をする」(毎日「余録」)、「ようやく党首討論らしくなった」(日経社説)、「党首討論はいつもこうあってほしい」(朝日社説)と、討論の盛り上がりを肯定的に評価している。
 非難の応酬。そう言われてみればそんな気もするが、「国会運営について可哀想なくらい苦労しているんですよ」というのは非難よりも愚痴。首相発言をよくよく読むと、愚痴やぼやきがやたらと目立つ。既に鬼籍に入ったが、生前、何かにつけ愚痴をこぼしぼやいていた友人のことを思い出した。
「権力の乱用」という表現もいただけない。手元にある「大辞林」(小学館)によれば「権力」とは、「他人を強制し服従させる力」「特に国家や政府などがもつ、国民に対する強制力」のことを指す。
 新聞が「権力の乱用」を大見出しで取り上げたことに気をよくしたのか。首相はメルマガでも「参議院の第1党という権力の乱用」批判を展開しているが、権力を持っていない野党に向かっての「権力の乱用」批判は権力という言葉の誤用にほかならない。日本語は正しく使うべきである。